丙午 ( ひのえうま )

1966(昭和41)年は「丙午 ( ひのえうま )」の年にあたります。易 ( えき )経 ( きょう )の十干 ( じっかん )は、甲 ( きのえ )、乙 ( きのと )、丙 ( ひのえ )、丁 ( ひのと )、戊 ( つちのえ )、己 ( おのれ )、庚 ( かのえ )、辛 ( かのと )、壬 ( みずのえ )、癸 ( みずのと )で10通り、十二支 ( じゅうにし )は、子 ( ね )、丑 ( うし )、寅 ( とら )、卯 ( う )、辰 ( たつ )、巳 ( み )、午 ( うま )、未 ( ひつじ )、申 ( さる )、酉 ( とり )、戌 ( いぬ )、亥 ( い )で12通りです。これらを組み合わせて干支 ( かんし )と言います。組み合わせは10と12の最小公倍数の60通りです。これらを人の一生に当てはめて60歳を還暦 ( かんれき )と言います。暦がめぐり還るという意味です。長寿のお祝いでは、70歳が古希 ( こき )、77歳が喜寿 ( きじゅ )、80歳が傘寿 ( さんじゅ )、88歳が米寿 ( べいじゅ )、90歳が卒 ( そつ )寿 ( じゅ )(卆壽)、99歳が白寿 ( はくじゅ )、100歳で紀 ( き )寿 ( じゅ )です。

丙午 ( ひのえうま )の年は火災が重なることから、「この年は火災が多い」、「この年に生まれて女性は気が強い」などの迷信が生まれました。一般庶民の間では、この年生まれの女性は気性が激しく、夫を尻に敷き、夫の命を縮めるとされ、死後「飛 ( ひ )縁魔 ( えんま )」という妖怪になるとも言われていました。特に江戸時代中期に盛んに信じられており、1846(弘化3)年の丙午には、女の嬰児が間引きされたという話が残っています。1906(明治39)年の丙午では、この年生まれの女性の多くが、丙午生まれという理由で結婚できなかったと言われています。この迷信は戦後まで続き、1966(昭和41)年の丙午では子供をもうけるのを避けたり、妊娠中絶を行ったりした夫婦が多く、出生数は136万974人と他の年に比べて極端に少なくなりました。合計特殊出生率は、戦後最低の1.58でした。実は、次の丙午は2026年です。平成はもう終わるので、年号は未定ですが、〇〇8年の合計特殊出生率が、迷信によって90万人を割り込む可能性もあります。でも2025年と2027年にそれをカバー出来なければ、人口減少社会に益々拍車がかかるということです。

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