精神障害者の入院形態

統合失調症や躁うつ病(双極性感情障害)など、精神障害と診断され入院する場合、幾つかパターンがあり、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)」で規定されています。

第20条は、本人の意思で入院する「任意入院」です。本人が同意して入院する場合が「任意入院」です。本人が嫌がっていても、最終的に説得に応じて入院した場合は、「任意入院」となります。任意入院者は、退院の申請をすれば退院することができます。

診察の結果、継続入院が必要だと「指定医」が判断すれば、72時間だけ入院を延長できます。指定医でない「特定医師」の判断であれば、入院延長は12時間までです。任意入院の延長期間の違いは、「指定医」の判断か「特定医師」の判断かです。


第29条は、「自傷又は他害のおそれがある場合」の「措置入院」です。

第29条の2は、急速を要する場合の「緊急措置入院」です。

自分を傷つける(自傷)か、他人に害を与える(他害)恐れがある場合、精神保健指定医2名の判断で、同意なしに入院させる場合を「措置入院」、緊急の場合に期間を限定(72時間以内)して、精神保健指定医1名の判断で、同意なしに入院させる場合を「緊急措置入院」と言います。「措置入院」と「緊急措置入院」の違いは、判断する精神保健指定医が2名か1名かです。

精神保健指定医の指定を行うのは厚生労働大臣です。「精神医療審査会」は、強制入院者の入院の要否及び処遇が適当であるかについての審査、退院請求を行います。

第33条は、「医療保護入院」です。指定医による診察の結果、本人の同意が無くても家族等の同意で、入院させることができます。「緊急医療保護入院」は、指定医に代えて「特定医師」の診察で入院させる場合をいいます。違いは、「指定医」の判断か「特定医師」の判断かです。

精神保健指定医1名の判断で、家族等の同意のもとに入院させる場合を「医療保護入院」、家族の同意が得られない場合、精神保健指定医1名の判断で入院させる場合を「応急入院」と言います。「医療保護入院」と「応急入院」の違いは、家族等の同意があるか無いかです。

「医療保護入院」には、保護者制度がありましたが、2014(平成26)年4月から廃止になり、「家族等」に変更になりました。退院のための支援として、「医療保護入院者退院支援委員会」の開催があります。



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