パターナリズムについて

パターナリズムは、父権的保護主義の考え方です。父親的温情主義と訳される場合もあります。父親が家族を保護するかわりに、自分の命令に従わせるということです。現代社会は、個人を尊重することを大切にする時代ですから、この言葉は古い考え方に思えますが、最近まで、医療や福祉の現場では、医師の裁量権を優先するなどというように、このような思想がまかり通っていました。それが、少しずつ「インフォームド・コンセント (説明と同意)」が一般的になりつつあり、さらに「コンプライアンス (医師の指示に従う)」から「アドヒアランス(患者の治療参加)」へ変わり始めています。