コンプライアンスとアドヒアランス
コンプライアンスは、法令遵守のことです。法律や規則だけでなく、倫理や道徳にも従わなくてはいけません。これは、医療や福祉の関係者にとってとても大切なことです。また、要求や命令に従うことや「処方された薬を指示通り服用する」ことという意味もあります。ガバナンスは、管理や制御を意味する言葉で、統治と訳されています。コンプライアンス(法令遵守)できるように組織をガバナンス(統制)するという風に使います。
アドヒアランス(adherence)とは、患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けるという意味です。従来は「医師の指示に患者がどの程度従うか」というコンプライアンス概念が主流でした。しかし、現在の医療現場では、「患者自身の治療への積極的な参加が治療成功につながる」という考え方が生まれ、コンプライアンス概念からアドヒアランス概念への移行が始まりました。
このアドヒアランスを規定するものは、治療内容、患者側因子、医療者側因子、患者・医療者の相互関係です。アドヒアランスを促進するためには、医療者が患者とともに考え、相談の上で治療方針を決定していくというスタイルやシステムをつくる必要があります。
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