選別主義から普遍主義へ
社会福祉は、過去から現在に至る過程で、選別主義から普遍主義へと変化してきました。現在もその経過期間ということができます。選別主義は、対象者を選別すること、普遍主義は、選別しないことです。この選別のことを「スクリーニング」と言います。生活保護に必要な資力調査(ミーンズテスト)も、スクリーニングの一種です。救貧か防貧かで税金で行う公的扶助と保険料を納める社会保険を対応させることがあります。既に貧困状態に陥った人を救う救貧。これに公的扶助(生活保護)が該当します。貧困に陥る事を防ぐ防貧。これに社会保険が該当します。選別主義が救貧、普遍主義が防貧、選別主義が公的扶助、普遍主義が社会保険ということになります。
現在の社会保険(年金)の金額では、防貧の役目を果たせないのが残念な事実です。財源さえ確保できれば、国民に最低限度の生活を保障するために現金を給付する制度(ベーシックインカム制度)の導入で解決できるのでしょうが、なかなか難しい問題です。選別主義から普遍主義への流れの中で、共産主義では無しえなかった、普遍主義の最終形がベーシックインカム制度です。しかし、貧困対策に正解はありません。これで解決するとも言い切れないのが事実です。
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