全人的苦痛(トータルペイン)

痛みには、傷の痛みなどの「身体的苦痛(肉体的苦痛)」の他に、心配があるなどの「心理的苦痛」、役割を遂行できないなどの「社会的苦痛」、人生の価値を見失うなどの「スピリチュアルペイン(霊的苦痛)」の四つの側面があると考えられるようになりました。これらを全人的苦痛としてとらえ、トータルペインという概念が生まれました。これらには、鎮痛剤でコントロールできないものも含まれており、緩和ケアの課題となっています。医療職だけではなく、福祉職も含めた様々な職種のチームによる、トータルペインの緩和が必要です。

日本人的な考え方でいくと、人生の価値を見失うのは、「霊的苦痛」ではなくて「心理的(精神的)苦痛」ではないのか、と疑問に思う方が多いのではないかと思います。日本は戦争に負けたがために、日本人のスピリチュアル(魂)は、GHQからの洗脳によって骨抜きになり、サイコとスピリッツの区別が無くなり、「精神」という言葉は、曖昧にサイコとスピリッツの間を行き来するようになってしまいました。元々魂(スピリチュアル)な国として、世界の注目を浴びていた我が国ですが、逆輸入の形で、洗脳が解け、戦前を思い出しつつあります。

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