マズローの欲求段階説
マズローというアメリカの心理学者が、欲求段階説という理論を提唱しました。人間の欲求(ニード)は,5段階のピラミッドのようになっていて,底辺から始まって,1段階目の欲求が満たされると,1段階上の欲求を志すというものです。その欲求は、生理的欲求、安全の欲求、所属の欲求、尊敬の欲求、自己実現の欲求です。生理的欲求と安全の欲求は,人間が生きる上での衣食住等の根源的な欲求です。危険を回避する行動は、安全の欲求にもとづくものです。安全の欲求が満たされると所属、尊敬、自己実現など「社会的欲求」に移ります。所属の欲求とは、他人と関りたい、他者と同じようにしたいなどの欲求です。尊敬の欲求とは、自分が集団から価値ある存在と認められ、尊敬されることを求める認知欲求です。最も高い自己実現の欲求とは、自分の能力、可能性を発揮し、創造的活動や自己の成長を図りたいと思う欲求のことです。しかし、低次元の欲求すら満たされていない障害者や、衣食住に事欠く人や、何処にも所属しない一匹狼や、誰にも尊敬されない孤高の人が、自己実現を果たすことを考えると、マズローの欲求段階説は、必ずしも正しいとは言えません。しかし、このような学説があることを、知識としては知っておく必要があります。
0コメント