我が国の公的年金制度
我が国の公的年金制度は、20歳以上のすべての国民が加入する「国民基礎年金」、被用者(サラリーマン)が加入する「厚生年金」から成り立っています。この制度は、改革・改訂・変更を重ねて現在の制度になっています。近年では、共済年金が厚生年金に統合されました。
国民基礎年金は、国民年金と覚えるよりも基礎年金と覚えましょう。基礎年金の対象者に追加で支給されるのが厚生年金の位置づけです。それぞれに、支給の要件等があります。老齢を保険事故として支払われるのが、①老齢基礎年金、②老齢厚生年金、障害を保険事故として支払われるのが、③障害基礎年金、④障害厚生年金、被保険者が死亡した場合遺族に対して支払われるのが、⑤遺族基礎年金、⑥遺族厚生年金のように、六つに区分して覚えましょう。
年金保険には、学生や若年者に対する納付猶予の制度や育児休暇中の納付猶予の制度があります。一時的に猶予された掛け金を払わない場合、受け取る年金が減額されますが、育児休暇中の納付猶予については減額されない制度になっています。
遺族基礎年金と遺族厚生年金は、遺族の範囲に違いがありますので注意を要します。遺族基礎年金は基本的に子どもに支給されるものです。子どもが居る妻には支給されますが、子どもの居ない妻には支給されません。それに対して遺族厚生年金は、同一生計の扶養家族にほぼ支給されます。遺族とはそのヒトの収入で「生計」を維持していたヒトです。「生計の維持」がなければ、年金の遺族にはならないので、共働き夫婦の場合、対象にならない可能性もあります。遺族一般と年金対象遺族は違うので要注意です。
離婚して分割できるようになったのは、夫の厚生年金です。ただし、最高二分の一までです。二分の一貰えるのは、年金受給対象期間と婚姻期間が同じ場合で、離婚の原因が夫にある場合です。半分貰えると勘違いして定年後の熟年離婚を突き付けるのは、「捕らぬ狸の皮算用」です。30歳未満で子のない妻に対して、5年間の有期給付になったのは、遺族厚生年金です。
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