社会保険制度

社会保障制度を理解するうえで重要なのは、社会保険制度です。社会保険の財源は、保険料と公費(税金)です。社会保険には、年金保険(国民年金法等)、医療保険(健康保険法等)、介護保険(介護保険法)、労働保険があります。労働保険を雇用保険(雇用保険法)と労働者災害補償(労災)保険(労働者災害補償保険法)の二つに分けると、5種類の社会保険になります。保険には保険者と被保険者がいます。この関係を覚えておきましょう。保険料を集めて保険を運営している機関を保険者と言い、保険料を納めて加入している人を被保険者(加入者)と言います。

保険は、保険事故が生じた場合、保険金が支払われます。この基本的な理屈も覚えておきましょう。この「保険事故」という言葉も併せて覚える必要があります。年金保険だと、老齢を保険事故とします。医療保険だと傷病が保険事故です。介護保険だと要介護や要支援が保険事故だということになります。労災保険だと労働災害という言葉ですから、イメージ的に保険事故という言葉がしっくりきますが、雇用保険だと失業が保険事故です。要するに、給付の原因となる事例の総称が保険事故であると押さえておきましょう。

国民皆保険・皆年金という言葉は、全ての国民は、必ず何らかの医療保険と国民基礎年金に入らなければならないという制度を意味しますが、実際には保険料を滞納している無保険者、無年金者が存在します。無年金者の増加は社会問題となっており、これを「年金の空洞化」といいます。年金保険、医療保険、介護保険、雇用保険の保険料は、被用者(サラリーマン)の場合、事業主と労働者は折半(半分ずつ負担)が基本ですが、労働者災害補償保険の保険料は、原則として事業主のみが負担します。

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